本学の一般教育部門に属する生物学教室では、入学初年度の学生を対象に医学・看護学の導入となる生物学の講義と実習を担当しています。講義と実習を通じて、生命現象を科学的に理解し、生命体をいろいろな方向から立体的に捉える能力を身につけてもらいたいと思っています。また、学生が意欲的に学習に取り組み、それを継続できるように、ハード面だけでなくソフト面の環境づくりにも心がけています。その一環として、常に学生とのコミュニケーションを大切にしています。 研究においては、哺乳動物の「卵子」、「精子」、「染色体」をキーワードに生殖工学的技術を駆使して実験を行っています。 また、緊急被ばく事故が起きた時に、リンパ球の染色体異常を指標にして被ばく線量を推定する全国組織(染色体ネットワーク)のメンバーとして社会貢献にも参画しています。 本教室は、初代教授の美甘和哉氏(現名誉教授)によって教育・研究の基盤が築かれ、2代目教授の上口勇次郎氏(現名誉教授)、そして2008年4月からは立野が担当しております。「常に勤勉であれ」。代は変わってもこの教育・研究の精神は開学時から一貫しています。
教 授 : 立野 裕幸(たての ひろゆき)
2008年4月に教授になったばかりの新米ですが、旭川医科大学にお世話になったのは弘前大学を卒業してすぐの1980年4月からで、その点では最古参の1人です。 医学科・看護学科を合わせると、生物学の講義や実習を通して、これまで3500名を超える学生たちと接してきました。学生から学ぶことも多くあって、それが教員としての今の自分にとって貴重な財産になっています。 生物学教室では、開学当初からヒトを含めた哺乳動物の配偶子(卵子・精子)や受精卵の染色体異常に関する研究を行っています。配偶子や受精卵に生じた染色体異常は発生障害の原因となり、やがて種の再生産力の低下をもたらします。そのため、染色体異常のリスク因子の検出や異常生成のメカニズムの解明は人類の未来のためにも重要なテーマと考えています。また、最近では、遺伝的に安全な配偶子の保存法の開発にも取り組んでいます。これらの研究を進める上で、顕微鏡下で卵子や精子を操作する体外受精や顕微授精などの高度な技術、および受精卵の染色体標本を作製する繊細な技術は欠かせません。信頼できるデータを得るにはこれらの技術を十分にマスターすることが第一条件です。 当教室のスタッフは現在私を含めて4人ですが、それを上回るだけのエネルギーを教育と研究に注ぐべく努力しています。
生物学実習室
医学科
1) 講義
必修科目「医学チュートリアル1」(20コマ) 必修科目「基礎生物学」(45コマのうち34コマ) 必修科目「遺伝学」(30コマのうち6コマ) 選択必修科目「自然科学入門」(20コマ) 選択科目「論文の書き方」(15コマのうち2コマ)
2) 実習
必修科目「基礎生物学実習」(45コマ×2クラス=90コマ)
看護学科第1学年
必修科目「生命科学」(30コマのうち18コマ)
必修科目「生命科学実習」(45コマのうち21コマ)
大学院講義 1〜3年次
必修科目「共通基盤医学特論」(2コマ)
マウスの精子と卵子を使った顕微授精法(写真左)と受精卵の染色体(写真右)
令和元年8月現在
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