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学長挨拶

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 旭川医科大学は、人口30万人以上を抱える北海道の中核都市、旭川市に設置された国立大学法人です。旭川市は上川盆地の中心にあり、市街地南側の小高い丘の上にある本学キャンパスの研究棟や病院からは大雪山系と十勝岳連峰の全貌が見渡せるとともに、北見山地の山々を遠望することができ、北海道の広がりを感じるのに絶好の立地です。旭川市は大雪山に端を発する石狩川水系の多数の河川が合流する豊かな水の街でもあります。年間の気温差が大きく、四季の移り変わりが明瞭で、ここで暮らしますと私たちが大自然の循環の中に生かされていることを実感できるかと思います。小説家の井上靖氏が開村100周年の際に生まれ故郷の旭川市を謳った詩は次のように締めくくられています。「現実と夢幻が、このように、ぴったりと、調和した例を知らない。ああ、北の王都・旭川の、常に天を望む、凛乎たる詩精神。それを縁どる、雪をかぶったナナカマドの、あの赤い実の洋燈(ランプ)。」ちなみに本学の校章にも旭川市の郷土樹木ナナカマドの文様があしらわれています。

 本学は道北・道東の地域医療を支えるため、1973年に医学科が、1996年に看護学科が設立されて以来、有為な医師や看護職者、研究人材を多数輩出してきました。これまでの本学の卒業生は、医学科で5,078名、看護学科では1,739名、合計で6,817名となり、北海道だけでなく、日本全国、世界中で活躍し、医療に貢献するとともに医学・看護学の発展に寄与してきました。開学後半世紀を経て地域の社会状況が大きく変化し、少子高齢化と過疎化に伴い地域医療の維持が危ぶまれている現状の中で、地域医療を守る本学の使命の重要性が格段に増しています。実際、旭川市を含む道北・道東地域の自治体の皆様や住民の皆様との対話を通じ、今後も本学がこの地域の保健・医療・福祉の要としての役割を果たし続けることが強く期待されていることを感じております。

 本学は今後も、地域医療に強い意欲と使命感を持つ優れた医師・看護職者を養成することで、地域に根差した医療人材を安定的に確保していきます。この使命を達成するためには、医学科において教育の質保証を前提とした地域枠入試制度を継続するとともに、大学全体として地域医療人の育成に積極的に関与し、医師の地域偏在問題を解決することが鍵となると考えます。そのため、現在、本学では、マルチタスク型地域医療医育成(自らの専門領域の診療能力と地域医療で必要とされる診療能力を併せ持つ医師を全学的協力の下で育成)、講座の枠を越えて適切な医師配置を目指す内科合同会議、外科合同会議などの新しい取り組みを押し進めています。看護学科では看護職キャリア支援センターや看護部を中心に、旭川市内の医療的ケア児の支援に向けたプロジェクトや特定行為看護師の育成に積極的に取り組んでいます。

 本学は「大学においては教育と研究が同等の重さで行われ,両者が一体でなければならない。」という基本構想の下でスタートしました。私たちは今後もこの考え方を大切にしていきたいと思います。優れた活発な研究者による直接的な「生きた教育」があって初めて向上心を持った優れた人材が養成されると考えられます。本学は単科医科大学であることの教育上のメリットを最大限に生かすとともに、開かれた大学として他大学や研究機関と密接に連携しながら、世界に向けた研究の発信と地域医療への貢献を両立させるユニークな医科大学を目指していく所存です。

 今後ともご支援のほどどうぞよろしくお願いいたします。

    学長 西川祐司