放射線部
施設について
旭川医科大学病院放射線部は、一般撮影部門、血管撮影部門、CT部門、MRI部門、核医学部門、放射線治療部門より構成されています。全ての診療科において、画像検査がもたらす情報の重要性は増し、その需要も伸びています。三次元画像や機能検査画像など高度な手術や診断に必要な情報を提供し、大学病院としての機能を支える重要な部門となっています。放射線治療部門では、高精度かつ先進的ながん治療において不可欠な役割を担っており、地域がん診療連携拠点病院として道北・道東圏のがん治療を支えています。
画像診断においては主にX線が使用されますが、患者さまへの医療被ばく低減に向けた取り組みや、放射線診療従事者への放射線安全教育訓練、日常点検をはじめとした放射線機器の品質保証・管理を行い、医療の質を維持し、患者さまやスタッフの安全確保に努めています。
我々は、「質の高い医療の推進に励む(質の高い医療)」「医療安全と被ばく低減を目指す(医療安全)」・「コミュニケーションの充実をはかり他部門と連携してチーム医療への貢献に努める(チーム医療)」といった大きく3つの目標を掲げ、日常の業務と研究に努力を重ね、高度な医療の一端を担うとともに、患者さまに安心かつ安全に検査や治療を受けていただけるよう日々技術の研鑽とサービスの向上に取り組んでいます。
スタッフ紹介
部長
沖崎 貴琢オキザキ アツタカ
副部長
中島 香織ナカジマ カオリ
技師長
林 秀樹ハヤシ ヒデキ
主な業務内容の紹介
放射線部は令和5年4月現在、診療放射線技師39名が在籍し、光学診療部・放射線部ナースステーション所属看護師24名、放射線科医師15名、事務員8名が一体となって診療にあたっています。
一般撮影部門は、一般撮影室4室(同型機種の立位・臥位撮影用FPD装置)、歯科用パノラマ装置、歯科用デンタル装置、骨塩定量装置、乳房撮影装置、TV透視室3室、内視鏡透視室からなり、手術室には移動型透視装置3台が稼働し、病棟を含め6台のポータブル装置を使用し、病棟撮影と手術室撮影・透視を含めた業務を行っています。当院の装置はFPD(フラットパネルディテクタ)方式で、低い被ばく線量で鮮明な画像を撮影することができます。
血管撮影部門は、3台の装置とHybrid手術室装置1台を担当し、一般撮影部門と重複した業務シフトを組んで対応しています。脳・頭頚部領域、心臓領域、胸腹部領域、四肢領域など全身に渡り、診断を行うだけではなく、IVR(Interventional Radiology)と呼ばれる血管内治療も積極的に行われております。血管塞栓術、血管拡張術、血栓回収術、ステント留置術など、多くの診療科と協力して検査・治療にあたっています。
CT部門は、256列、80列、64列の3台が稼働し、検査内容に応じて撮影室を振り分けて使用しています。撮影した画像以外に、画像処理専用のワークステーションを用いて、CT装置で撮影したデータを立体構造として三次元的に抽出し、診断、治療、術後評価に有効な3D画像を作成して提供しています。
MRI部門は、3T装置2台、1.5T装置1台が稼働しています。磁場と電磁波を利用して人体内部の断層像を撮る装置ですので、外観はCT装置と似ていますがX線を使わない検査のため、放射線による被ばくがありません。しかし、ペースメーカーや手術等で体内に金属を埋め込んだ方は検査を受けることはできません。そのため、光学診療部・放射線部の担当看護師を中心に直前の問診を徹底し、患者さまの安全を確認してから検査を行っています。
核医学部門では、SPECT-CT装置1台、SPECT装置2台、PET-CT装置1台で運用しています。検査部位に応じた装置を用い、体内に注射した放射性医薬品から放出される放射線をカメラ(検出器)で捕らえ、画像にします。PET-CT検査では悪性腫瘍など糖代謝の盛んなところに〔18F〕FDGが集積し、その状態を画像化することによって全身の悪性腫瘍の有無、良悪性の鑑別を調べることができ、治療方針を決定するうえでも重要な役割を担っています。
放射線治療部門では、2台のリニアックと腔内照射装置(RALS)を有し、診療科と連携して治療を行っています。治癒を目指した根治照射だけではなく、痛みや症状の緩和を目指した緩和照射にも力を入れています。また、高精度放射線治療として、頭部定位放射線治療(SRT)、体幹部定位放射線治療(SBRT)、強度変調放射線治療(IMRT)、画像誘導放射線治療(IGRT)、画像誘導密封小線源治療(IGBT)にも積極的に取り組んでおり、放射線治療専門医をはじめとして、医学物理士、放射線治療品質管理士、放射線治療専門放射線技師の各スタッフが連携して治療にあたります。