放射線科
診療科について
放射線医学は、X線などの放射線、放射線を発生する放射性同位元素、並びに放射線以外のエネルギー(磁場、超音波など)を扱う一分野です。
- 放射線治療
- 放射線診断・IVR
- 核医学
放射線医学に基づく診療を実践している放射線科では、以上の3つの部門から形成されており、治療と診断の両面に貢献しています。
スタッフ紹介
教授、放射線部部長、放射線科科長
沖崎 貴琢オキザキ アツタカ
講師(病院教授)、放射線科副科長、外来医長
中島 香織ナカジマ カオリ
講師
山品 将祥ヤマシナ マサアキ
講師、病棟医長
中山 理寛ナカヤマ ミチヒロ
学内講師、医局長
渡邊 尚史ワタナベ ナオフミ
学内講師
石戸谷 俊太イシトヤ シュンタ
助教
青木 友希アオキ ユウキ
助教
大屋 明希子オオヤ アキコ
助教
戸田 雅博トダ マサヒロ
助教
野村 優里菜ノムラ ユリナ
助教
野村 健太ノムラ ケンタ
医員
斉藤 美季サイトウ ミキ
医員
植田 はるかウエダ ハルカ
医員
吉田 一平ヨシダ イッペイ
医員
藤谷 淳フジヤ アツシ
主な診療内容の紹介
放射線治療
放射線治療部門では外部照射と密封小線源治療を行っています。外部照射では直線加速器を2台保有し、脳腫瘍、頭頚部癌、食道癌、肺癌、乳癌、婦人科癌、前立腺癌、悪性リンパ腫などの多岐にわたる悪性腫瘍に対する放射線治療を行っています。機能を温存して腫瘍の治癒を目指した根治照射だけではなく、痛みや症状の緩和を目指した姑息照射にも力を入れています。また、高精度放射線治療として、定位放射線治療(SRT)、体幹部定位放射線治療(SBRT)、強度変調放射線治療(IMRT)、画像誘導放射線治療(IGRT)を行うことが可能です。SRTは,単発あるいは少数個の転移性脳腫瘍や一部の良性脳腫瘍を主に対象としています。SBRTは,I期非小細胞肺癌や孤発性の転移性肺腫瘍を主に対象としています.IMRTは、頭頚部癌や、原発性脳腫瘍、原発性肺癌、食道癌、前立腺癌、肛門管癌などを対象にしています。これらの高精度放射線治療は、正常組織の高線量域を低減し、病巣に集中して放射線を照射する事が可能なため、有害事象を低減し、治療効果を向上させる事が期待できます。
CT(コンピューター断層)、MRI(磁気共鳴)、RI(核医学)の画像診断
取り扱う検査はX線写真、CT、MRI、血管造影、核医学、超音波検査と多岐に渡ります。患者さんの状態や主治医の要望を把握し、検査方法や機器の特徴を活かした診療を行っています。放射線技師と協力して得られた良質で最適な画像は画像診断医が詳細に読影、診断しています。得られた画像や診断結果は患者さんの治療方針決定や診療の安全性確保に役立てられています。
血管造影・IVR(Interventional Radiology )
血管造影(Angiography)は血管にカテーテルと呼ばれる細長いチューブを挿入し、造影剤を注入して血管の状態を検査する方法です。CT・MRI、超音波などと比べると患者さんの負担が大きく、合併症の頻度も高くなるため専門性が求められる検査です。
また、検査手技を応用し治療を行うIVR ( Interventional Radiology: 画像ガイド下治療) にも積極的に取り組んでいます。IVRは血管造影、超音波、CTなどの画像断装置を用いて画像ガイド下に経皮的手技を行います。手術と比べて負担が小さいのが利点です。当科では消化器系(特に肝癌に対する動脈塞栓、抗癌剤動注療法、動注リザーバー留置、胃静脈瘤に対するBRTOなど)に多く施術されています。
頭頚部癌(耳鼻咽喉科領域)に対する超選択的動注化学療法は、通常では治療困難な進行例でも施行されています。また子宮筋腫に対する子宮動脈塞栓術(UAE)、外傷などに対する動脈塞栓術(TAE)にも積極的に取り組んでいます。
IVRは治療とともに、それに伴う症状の改善や臓器機能の温存が図られます。患者さんにやさしく、QOL向上が見込める治療として、今後ますます社会の期待が増すものと思われます。
ラジオアイソトープ(RI)内用療法
甲状腺疾患に対する放射性ヨード(I-131)内服治療
放射性ヨード(I-131)内服治療は、分化型甲状腺癌(乳頭癌、濾胞癌)、バセドウ病の有効な治療法です。分化型甲状腺癌では、転移病巣の治療ならびに術後補助療法として再発率の低減に有効です。バセドウ病においても抗甲状腺剤による治療に比べて、短期間で治療が終了します。放射性ヨード内服治療に重篤な副作用はなく治療後正常妊娠、出産も可能です。
旭川医科大学病院には、道北・道東地域で唯一、この治療を行うためのRI治療専用病棟があります。病院10階に位置しており、見晴らしの良い個室2部屋(テレビ、冷蔵庫、ウォッシュレット、専用洗面台完備)を準備しております。
骨転移のある去勢抵抗性前立腺癌に対する塩化ラジウム(Ra-223)治療
塩化ラジウム(Ra-223)治療は、骨転移のある去勢抵抗性前立腺癌の骨転移に対して有効な治療法です.Ra-223は骨の成分であるカルシウムと同じように骨に集まりやすい性質を持っているため、骨転移の治療に適しています。Ra-223を注射し体内に送られると、代謝が活発になっている骨転移病巣に集まり、Ra-223から放出される放射線エネルギーにより、転移病巣を局所的に照射します。外来治療での静脈投与が可能で、投与の間隔は4週間に1回投与で、最大6回の治療が可能です。
神経内分泌腫瘍の患者様を対象としたルテチウム(Lu-177)治療(PRRT)
ソマトスタチン受容体陽性の神経内分泌腫瘍の患者様を対象に、ルテチウムオキソドトレオチド注射液(ルタテラ®静注)を用いた治療です。ルテチウムオキソドトレオチド注射液はLu-177(ルテチウム)を用いたペプチド受容体放射性核種療法(Peptide Receptor Radionuclide Therapy: PRRT)製剤です。神経内分泌腫瘍に高率で発現するソマトスタチン受容体に結合し、ルテチウムから放出される放射線(β線)でがん細胞を直接攻撃します。通常、数日間この治療を行うための専用の特別措置病室に入院し,成人にはルテチウムオキソドトレオチド(Lu-177)として1回7.4GBqを30分かけて点滴静注します.投与の間隔は8週間に1回投与で,最大4回の治療が可能です。
本治療法の適応となる患者さんがおられましたら、是非ご紹介くださいますようお願い申し上げます。
外来のご案内
放射線科:3階33番
入院のご案内
放射線科:10階東