本学開学以来医学科の、開設以来看護学科の物理学教育に、また本学の草創期における情報処理教育に一般教育の一学科目として携わってきました。主に本学1、2年生の物理学の教育を担っているのが物理学教室です。 病気の診断方法や治療方法には物理学の物性研究に利用された技術を応用した例が少なくありません。放射線は元より、核磁気共鳴を応用した医療用MRI、陽電子消滅を応用したPET、超音波を利用した結石破壊や超音波エコー検査、ドップラー効果を応用した血流計等々。物理学の研究が発展していく中、これからもその基礎技術や新現象が医学に応用される例はうまれてくるでしょう。そのような装置の基本的な動作原理を知ることは、装置を正しく利用したり、その診断限界を理解したり、患者さんに装置について分かりやすく説明する上で重要になるでしょう。このように、医学や看護学を学んでいく上で、物理学の基本的知識を身に付けることは非常に大切です。本教室では、このような視点に立って講義・実習等を展開し、医学・看護学に関連する物理学を学んでもらうことを教育目標としています。 研究においては、銅酸化物高温超伝導体の高温超伝導の発現機構に関するテーマ、金属微粒子に関するテーマ、そして医学・看護学系学生の実習テーマの開発を進めています。超伝導技術は、医療用MRIに利用されると共に、SQUID磁束計として微弱な脳内磁場を観測する研究に利用されつつあります。高温超伝導の発現機構が解明されれば、この分野の技術が大きく進歩することになり、医療診断技術の飛躍的な進歩につながると期待しています。
教 授 : 本間 龍也(ほんま たつや)
皆さんの中には、“物理(学)”という名前を聞くだけで生理的に“イヤッ”という人も少なくないでしょう。でもこう考えてみて下さい。“何も語らない物(質)に、何かを語らせようとする学問が物理なんだよ。”っと。物(質)に、“刺激”として電気、磁気、光、放射線や超音波、もっと簡単に押したり引いたりする力を加え、その刺激に対する“反応”を調べることで今ある物(質)の状態を知ろう(語らせよう)とする学問が物理なんだと。そして、対象を“物”から“人”へ代えることで、今ある病気の状態を人の口からではなく、体から直接知ろう(語らせよう)とするのが医学・看護学における物理(学)の役割の一つなんだよと。ただ、その反応を人が理解しやすい言葉に翻訳するために物理(学)の知識が必要なんだよと。だから、物理の得意な皆さんは元より、物理(学)初学者の皆さんも一緒に物理学の学習頑張りましょう。 私の研究テーマは、銅酸化物高温超伝導体の高温超伝導発現機構の解明です。銅酸化物高温超伝導体は1986年に発見されました。それまで、超伝導現象を観測・利用するには寒(冷却)剤として高価な液体ヘリウムを必要としていました。それが、安価な液体窒素でも超伝導を観測・利用できる物質が次々と発見されました。、そのような寒剤を必要としない室温超伝導の実現も間近と期待されていました。しかし、残念ながら未だその域に達していません。現在、液体窒素で超伝導を観測できる物質を世界で初めて見つけた米国ヒューストン大学テキサス超伝導センターのグループと共同研究を行い成果をあげています。詳細は研究紹介をご覧ください。
主な研究テーマ
本間教授
令和元年8月1日現在
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