国立大学法人 旭川医科大学

旭川医科大学ホームページ
| 交通アクセス | サイトマップ | お問合せ | ENGLISH |
訪問者別メニュー 受験生の方地域・一般の方企業・研究者の方在学生・卒業生学内向け
大学案内
学部・大学院・施設案内
教育・学術
入試案内
キャンパスライフ
社会連携・地域貢献
広報・情報公開
採用・募集・入札・公募
大学からのお知らせ
トップページ大学案内学長室から ≫ トピックス
平成26年度旭川医科大学学位記授与式学長告辞
2015年03月26日

学長告辞

 本日、三つの学位記授与式(卒業式)を挙行し、卒業生、ご家族の皆さんと感動を共有出来ましたことを大変嬉しく思います。

 始めに、医学科第三十七期生99名の皆さん、並びに看護学科第十六期生68名の皆さん、ご卒業おめでとうございます。皆さんを今日まで育てて来られたご家族の皆様の感慨も一入と思い、重ねてお祝いを申し上げます。学年担任を始め教職に当たられた先生方、そして学生諸君といつも接してきた事務職員の方々も、本当にご苦労様でした。

 また、医学博士の学位を取得された9名の皆さん、そして看護学修士の学位を取得された7名の皆さん、心からお祝いを申し上げます。指導教員と苦労を共にした努力とその結果生まれた皆さんの優れた研究業績に対し、深く敬意を表します。皆さんがこの誇りある学位を次のステップにつなぎ、世界に発信するより高いレベルの医療人へ成長することを期待しています。

 皆さんを含め開学以来の卒業生は、医学科で3,777名、看護学科で1,085名になり、大学院の修了生は、博士課程で923名、修士課程で152名となりました。皆さんの先輩達は、全国の医療現場を始め研究機関や行政機関そして海外の医療拠点などで活躍し、それぞれ高い評価を受けております。後に続く皆さんは、四年前の東日本大震災を始め、日本がそして世界が大きく揺れ動いたまさに激動の時代に、自分に課せられた使命を自覚し真剣に勉学に励んできました。だからこそこうして今日、無事に学位を取得することができたのです。自分自身の努力を称え、どうか自信を持って明日からの新たな第一歩を踏み出して下さい。


 ところで、日本は世界に先駆けて超高齢社会を迎えました。超高齢社会とは、総人口に対し65歳以上の割合が21%を超えた社会を言います。この割合は、おととしの10月の段階で25%でした。つまり、四人に一人が65歳以上です。更に内閣府の推計では、今から45年後の2060年には、実に国民の半数近くの4割が65歳以上となります。
 想像ができない超高齢社会に対し、国は「スマートプラチナ社会」の実現に向けて、ICTが持つネットワーク力を活用し、すべての世代がいきいきと活動できる、明るい超高齢社会を目指すとしています。その成功のカギを握っているのは、他でもない、医療人として正にこれからの時代を担う皆さん一人ひとりです。皆さんの努力で医学・医療の進歩を加速させ、明るい未来を切り開いて下さい。


 医学は今後益々進歩するでしょう。ICT社会によってシルバー世代も多くの恩恵を受けるでしょう。しかしそんな時代の中にあっても、果たして本当に人々がどこにいても平等に医療を受けられる時代になるのでしょうか。

 今、全世界で一大ベストセラーとなっている「21世紀の資本」という本があります。著者トマ・ピケティ教授は、300年にも及ぶデータの分析を通して、「経済的」格差が拡大し続ける社会の現状に警鐘を鳴らしています。
 私がこの著書を通して改めて抱いた危惧は、「医療格差」の問題です。医療はどうあるべきか。国民の命を守るために何をすべきなのか・・・。
 
 今から42年前、この重い問いかけに対する一つの答えとして、ここ北海道の大地で産声をあげたのが旭川医科大学でした。私たちの大学は医療格差を是正するために生まれた大学なのです。

 その後、国民所得は大幅に増え、国民の多くが豊かになりました。その間、私たちの大学は42年をかけて、3,700名を超える医師と1,000名を超える看護職者を輩出し、大きく成長を続けて来ました。しかし医療格差はまだ解消しておりません。

 今なお、道内でも至る所で医師が足りません。昨年6月の北海道の調査によりますと、診療機能を維持するために確保しなければならない医師数、つまり不足している医師数は1,144名で、3年前の不足数とほぼ同数でした。北海道では毎年300名を超える医師が誕生しているにもかかわらず、相変わらず医師不足が続いています。
 一方、看護師不足もまた深刻です。国が看護体制を見直したことでニーズが一気に高まり、もはや慢性的とも言える看護師不足が全国で続いています。
 これからの時代も、確かに医師や看護師の「数」は、確実に増えていきます。全国的には、医師は毎年8千人程度、看護師も5万人程度増加しています。しかし、医師や看護師の数がいくら増えても、医療格差の問題は簡単には解消しないでしょう。求められているのは、医師・看護職者の「志」なのです。

 私達の旭川医科大学は、正にその志・・・、地域医療に貢献せんとする志ある医師や看護職者を育てることを目的に生まれた大学です。そのために出来ることは何かを常に考えながら、私自身、旭川医科大学の改革を進めて参りました。
 数々の改革を通じて私が目指してきたものは「人材育成」、つまり地域医療に対する志、強い意欲・使命感を持った医師・看護職者の養成でした。その一つとして、地域枠を導入しました。

 私が学長に就任して間もなく、道内の医師不足を解消するため道内に根を下ろす医師を育てたいと考え、道内出身の受験生に門戸を広げました。平成20年度から医学科に地域枠を設け、皆さんの入学した平成21年度から地域枠をさらに拡大し、本日の医学科卒業生の2/3が道内出身者となっています。

 そして、今年の卒業生の中で医学科は7割の方が北海道に残り、内32名が本学病院に残ります。看護学科を卒業する32名が本学病院に就職することになりました。今日、皆さんがこの様に成長され、北海道に残る卒業生が増えたことは、大きな成果と考えています。


 ところで、2年前医学科の皆さんを対象に、第1回目の白衣式を行いました。あの日私は、臨床実習の出発点に到達した皆さんを心から祝福し、皆さん一人ひとりにネーム入りの白衣を贈り、「医師になるためのプロフェッショナリズム」を伝えました。
 その時、皆さんは、私に誓いました。「高い倫理観と向上心を抱きつつ、日本の明るい未来のために、素晴らしい医療人になります」という、力強い「誓い」でした。あの時を、今もう一度思い起こして下さい。

 今日船出する皆さんは、今どんな志を胸に刻んでいるのでしょうか。

 私自身の志の一つは、遠隔医療という形で一つの実を結びました。まだインターネットも広く普及していなかった時代から、私を一貫して支え続けたものは、住んでいる場所に拘わらず必要な時に必要な医療を受けられる環境を創りたいという思いでした。私自身の志は、医療格差が解消していない現状では、まだ「道半ば」だと思っています。

 皆さんの志は何でしょうか?新しい人生の第一歩を踏み出す前に、もう一度自分自身の胸に、ひとりの医療人として自らの志を問いかけてください。

 さあ!医療の最前線は、皆さんを心待ちにしています。

 超高齢社会、格差の拡大・・・。様々な課題を抱えるこれからの時代を、志ある皆さんの若い力で切り開いて下さい。


 旭川医科大学に残ってくださる皆さんとは、これから新しいステージで、地域医療のため、世界の医療のため、そして高いレベルの研究を行うため、共に頑張って行きましょう。大学を巣立つ皆さんは、本学の卒業生であることを誇りに各地でご活躍されることを願っています。そして、将来更なる改革を成し遂げたこの母校で共に働ける日が来ることを心から願っております。

 志ある若者達の新たな挑戦・旅立ちに対して、心からの激励と賛辞を込めて、ここに学長の告辞といたします。

 道に迷った時は、いつでも大学の門を叩いて下さい。
 旭川医科大学は、いつまでも皆さんのための母校です。

 卒業、おめでとう。

 平成27年3月25日
 旭川医科大学 学長 吉田 晃敏

 このページのトップへ
 
 

| サイトのプライバシーポリシー | サイトポリシー |

 

国立大学法人 旭川医科大学 

 〒078-8510 旭川市緑が丘東2条1丁目1番1号 TEL:0166-65-2111(代表)
 (法人番号2450005001797)