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講座について

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旭川医科大学小児科学講座は、大学が創設された翌年の昭和49年(1974年)に設置されました。本学は、日本最北の医科大学として設置されましたが、その地域特殊性から北海道北部、東部の重症疾患・難治性疾患の患者が集中します。このため、大学、北海道北部・東部にある関連病院、旭川厚生病院NICUの新生児医療、道立旭川肢体不自由児総合療育センターの発達障害児療育、北海道療育園の心身障害児療育と連携し、小児総合医療センターを形成し、教育・診療・研究活動を行っています。

教授挨拶

令和5年1月1日付けで旭川医科大学小児科学講座の第5代教授を拝命しました。本学は、今年で開学50周年を迎えます。私は12期生として入学し、この記念すべき節目の年に母校の教授として小児科での診療・教育・研究を主導する立場に就いたことは、責任の重さを感じながらも感慨深いものがございます。

旭川医科大学は、北海道の中央に位置する人口32万人の北北海道の拠点都市・旭川市にあります。四季折々に表情を変える大雪山連峰やラベンダーなどの花畑に囲まれている美しいまちです。また、道内外各地へのアクセスが良好な旭川空港は車で20分の距離にあり、豊かな自然と都市機能が調和しています。このような恵まれた環境で、共に学び、小児医療へ貢献したいという方は、是非お声かけ下さい。ご参加を歓迎いたします。

私達が担当します医療圏は広大であり、北は稚内、南は富良野・十勝清水、東は網走・斜里までに及びます。これらの地域の周産期医療を守り、そこで生活している全ての子ども達の成長と発達を支援することが責務と認識しております。日常の診療は、6つの専門グループ(感染・免疫・腎臓、循環器、血液・腫瘍、内分泌・糖尿病、新生児、神経)に分かれて担当しておりますが、各診療グループ間の連携と協力により、子どもの全ての疾患に対して専門的かつ総合的に対応できるチームを構成しています。また、大学病院には子どもの発達診療センターを設置し、2名の公認心理師とともに急増する神経発達症のお子さんへの対応にも力を入れております。

私達が最優先で取り組むべき課題は、地域の周産期医療と小児医療を守ることですが、治療法が未確立であるために様々な困難に遭遇している子ども達のことを常に思っております。研究をすることが、診療レベルを維持し、質の高い教育を可能にすると考えております。“Act locally, Think globally”という言葉で表現されるように、世界的な視野を持ち未解決の問題への挑戦を続けて参ります。今後とも、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。

教授 高橋 悟

その他

神経

神経外来ではてんかん、精神遅滞、変性疾患、脳炎・脳症、筋疾患のほか、注意欠陥多動性障害・自閉症スペクトラム障害・学習障害などの発達障害や心身症など幅広い神経疾患を対象とし、小児神経専門医、てんかん専門医の指導のもとで診療を行っております。発達障害や心身症を疑われる患者さんの診療は、「子どもの発達診療センター」に所属する医師と臨床心理士が行います。受診を希望される方は、予約が必要です。小児科外来へ電話でご希望をお伝え下さい。

感染・免疫・腎臓

感染・免疫・腎臓    感染・免疫外来では急性感染症の診療はもちろん、HIV感染症やウイルス性肝炎などの慢性感染症の診療や、アレルギー疾患、自己免疫性疾患、消化器疾患などの診療を行っています。また予防接種外来を担当し、地域の予防医学に貢献すると共に、各地方自治体からの相談も受けています。腎臓外来では学校検尿などで見つかった血尿や蛋白尿をはじめ、腎炎、ネフローゼ症候群、先天性腎尿路奇形、腎不全といった小児腎臓病全般の診療にあたっています。

血液・腫瘍

外来では小児期の血友病や再生不良性貧血等をはじめとする血液疾患および白血病、神経芽腫、腎腫瘍、肝腫瘍、脳腫瘍など全ての小児がんを診療しています。血液内科など他診療科と連携して思春期・若年成人(AYA)世代の患者さんの診療も積極的に行っています。再発リスクが高い白血病や骨髄不全症、先天性代謝疾患など造血細胞移植が必要な患者さんには移植治療も行っており、道内で札幌市以外では唯一の小児造血細胞移植施設です。小児がんや移植後の長期フォローアップについても、小児科の他グループの専門医や血液内科をはじめとする成人領域の専門医、他施設の医師と連携して切れ目ない体制で診療を行っています。

内分泌・糖尿病

内分泌・糖尿病    内分泌・糖尿病外来では低身長、性分化異常症、思春期発来異常、副腎疾患、甲状腺疾患などの各種内分泌疾患や、糖尿病、肥満および代謝疾患などの診療を行っています。大学病院での診療のほか、道北・道東の関連病院での小児内分泌専門外来とも相互に協力しています。また新生児マススクリーニング:内分泌疾患の北海道におけるセンターとしても機能しています。 お子さんの成長の経過を確認することは診断・治療のために大変有用です。受診される際には、母子手帳や出生からの発育記録などをご持参ください。

循環器

循環器外来では新生児から成人期までの先天性心疾患、肺高血圧症、不整脈、心筋症、川崎病などの小児循環器疾患全般の診療を行っています。年間の外来受診者数はのべ約1500人、そのうち外来心エコーは約800件です。また産科との協力で胎児心エコー検査も外来で施行しています。

新生児

4階東病棟周産母子センターはUNICEF/WHOから赤ちゃんにやさしい病院として認定をうけており、母乳育児を中心に母子への支援を行っています。NICU/GCUでは主に早産児、病的新生児、外科疾患を有する新生児の診療に当たっています。当センターは北海道北部、東部で新生児外科疾患を扱うことのできる唯一の医療機関であることから毎年多くの外科疾患を受け持っています。また膜型人工肺、血液透析、血液濾過をはじめとした高度先進医療を必要とする新生児疾患にも対応しています。
新生児発達外来では当センターを退院した新生児の成長発達のフォローアップ、合併症を持つお子さんへのサポートを中心に診療を行っています。